VOICE
グローバル人材の育成が日立グループの
新しい価値を生み出す支えとなる
株式会社日立総合経営研修所 グローバルタレントディペロップメント部 川島多加子 様
Profile
大手メーカーで接遇訓練トレーナー認定資格を取得し新入社員教育を担当。そののち海外へ渡り、英語を母国語としない人々に英語を教えるための教授法『TESOL』で修士を取得。日本に帰国後、『TESOL』の資格を活かし、eラーニング教材やIT関連の教材開発、ビデオ教材制作、外国人スタッフのマネジメント、教務に携わる。これまでの経験から日立で海外のオンライン英会話教材をローカライズし提供する仕事を開始。その後、外国語研修所へと移り、現在の日立総合経営研修所に配属となる。現在は日立総合経営研修所にて日立グループのグローバル人材育成に従事しながら、さらに大学などで講演者としても活躍中。
Interview
英語を母国語としない人々に英語を教えるための教授法であるMA/TESOLの資格を持ち、長年に渡り日本人への英語教育に携わる川島氏。定年を迎えた現在も日立グループのグロ−バル人材育成をはじめ、グローバル要員を増やすためのコンサルティングや研究を進めている。日立グループがなぜ、2008年度の決算報告で7,800億円という赤字から一転、会社再建をめざしグローバル市場での成長戦略を打ち出し、黒字回復を果たすことができたのか……その背景についてわかりやすく教えてくれた。
はい。日立製作所は創業50周年事業として「次の世代の経営者を育成」することを目的に1961年、日立総合経営研修所を設立しました。当時、新聞や雑誌に取り上げられるほど素晴らしい研修所として注目され、課長研修、部長研修、選抜経営研修など、経営幹部を育成するための施策やプログラムを実施しております。外国語研修所は、当時テレビなどの家電を生産していた日立製作所横浜工場内に設立され、高度経済成長期の日本企業から海外に社員を派遣するためのプログラムを提供するなど、海外赴任者や出張者の英語教育に大きく貢献してきたのです。
そして2003年に日立総合経営研修所は、日立製作所の外国語研修所と国際研修グループを加え、日立グループの社員全員のグローバル人材育成も担うことになりました。
日立グループには数多くの事業があり、それぞれの事業ごとに生み出す価値が異なりますので、グローバル人材育成にかんしても、ニーズに合わせたコンサルティングや研修を実施しています。
日立は、2008年度の決算報告書で7,800億円という赤字を出しました。これを機に2009年度から新しい経営陣のもとで再生をはかり、2010年度には会社再建をめざすため、グローバル市場での成長戦略を打ち立てました。それに伴い、日立ではグローバルリーダーの育成とグローバル要員の育成が急務となったのです。
グローバル要員の育成にかんしては、これまでにも日立製作所で語学力強化のため、中国や英国、アメリカを対象とした海外短期留学を実施していましたが、グローバル市場での成長戦略を打ち出してからは、対象を日立製作所から日立グループ全体としました。さらに日立はインフラ事業に注力しているため、留学先をインドネシアやマレーシア、タイ、ベトナム、フィリピンなどに拡大し、各社・各事業のニーズに合わせるようにしたのです。
海外の現地法人への派遣はもちろん、インターンシップや海外体験研修、ボランティアなどの100コースから成り、毎年1,000名を超える若手を海外に派遣するかたちとなっていきました。
つまり限定された人材に対するプログラムではなく、対象となる人材の幅を広げ、語学力強化のみならずグローバルマインドをも養い、国籍を超えた人材と協業ができるグローバル要員の育成が可能となりました。
リンゲージさんとは、日立総合経営研修所が外国語研修所と国際研修グループを加え、全社員に向けた語学・グローバル研修をスタートさせた当時からのお付き合いになります。
品川シーサイドにある当社の外国語研修所では、日立グループ社員向けビジネススキル研修に、リンゲージさんの「シュミレーションを通して学ぶ欧米流ビジネススキル研修」を採用させていただきました。英語で行うビジネススキルの実践的な内容であったことに加え、ビジネス英語の研修では実力と実績があり、安心してお願いできる会社だった、というのがその理由です。
はい。TOEIC®対策をメインとした5日間の新入社員研修をリンゲージさんに実施して頂いたのですが、研修を実施する前後の1ヶ月間で平均140点ほどのスコアが伸びたことには、正直びっくりしました。
例外として、研修前後のTOEIC®でマイナスとなった人もいたのですが、研修のなかでTOEIC®対策のやり方にうまくついていくことができず、スコアアップにつながらなかったのではと解釈しております。
日立総合経営研修所では、さまざまなプログラムを採用していますが、TOEIC®にかんしましてはリンゲージさんが一番スコアアップにつながっております。
日立グループでは約32万人の人事データベースを構築し、世界共通の人事評価システムを導入しています。そのため、かつての年功序列という考え方ではなく、必要なポジションに必要なリーダーをポジショニングするための人材を、データベースのなかから探して抜擢することができます。
さらに探し当てた人材にタフ・アサインメントをあたえ、グローバルリーダーに創りあげるというリーダー育成をも、日立グループ内で実践することが可能です。
日立総合経営研修所では、日立が世界で戦えるグローバルメジャープレーヤーになるために必要なグローバルリーダーを輩出するため、さまざまな事業ニーズを的確に捉え、グローバル要員育成の基盤をさらに強固なものにすべく、グローバル基準での経営研修のカリキュラムを日立グループに提供し続けていきたいと考えております。
企業情報
名称 | 株式会社日立総合経営研修所 |
URL | http://www.himd.co.jp/ |
所在地 | 【我孫子研修所】我孫子市高野山485番地 【大森研修所】品川区南大井3-35ー14大森本田ビル 【品川シーサイドキャンパス】品川区東品川4-12-8 品川シーサイドイーストタワー3階 |
グローバル人材の育成が日立グループの新しい価値を生み出す支えとなる
株式会社日立総合経営研修所
グローバルタレントディペロップメント部
川島多加子様